おはようございます、河村です。
みなさんは神戸新聞の「イイミミ」をご存知でしょうか?
イイミミは1971年に全国に先駆けてスタートした神戸新聞夕刊記事で、市民のみなさんから寄せられた電話の声を記事にしています。今年で50年を迎え、投稿数1日約30件、半世紀で累計するとなんと35万本になります。
投稿の声は、自身のことだったり、家族や友人や時事のことだったり、スポーツ選手に向けての応援や嬉しかったこと悲しかったこと、疑問や怒りなど様々です。コロナ禍になってからは不安な声や励ます声、一緒に頑張ろうといった声が多く寄せられたそうです。このイイミミで市民の声を取り上げてくれて、投稿者ももちろん、「こんな不安な気持ちは自分だけじゃないんだ」と心が救われた読者も多くいたことでしょう。
50周年の特別企画で指揮者の佐渡裕さん(兵庫県立芸術文化センター芸術監督)が一日局長として投稿者と電話でお話をしたそうです。電話の向こうでは、嬉しいサプライズに感激の声があったそうです。
この度神戸新聞社さんとお仕事をする機会がありまして、過去の記事を読ませていただきました。その中で印象的な投稿を一つご紹介いたします。
兵庫県神河町の町長が優先の年齢に達していないにもかかわらずワクチンの接種を受けたという記事が5月13日に神戸新聞に記載されました。それを読んだ神河町民の声が、翌14日イイミミ紙面に載りました。
『町民として恥ずかしい』
そしてそれを読んだ別の方の声が18日に。
『頑張っている町長さんが先に受けていいと思う』
この問題では賛否両論あったことでしょう。どちらが正解、ということではなく、色々な声があるんだ。あっていいんだ、と思います。人々の身近な声を聞くイイミミって面白いなあと改めて思います。
SNS全盛の今、ツイッターやフェイスブック、YouTubeなど、どこでも自分のことや意見を発信することができます。ですが、自分が聞いてほしい話を直接うんうんと聞いてくれて応えてくれるこんな温かく素敵なツールはなかなかないのではと思います。
ネット社会で、紙媒体の需要が減ってきている現代ですが、紙の印刷が完全になくなることはありません。ネットの良さ、紙の良さどちらも共存してこれからの情報のカタチとして残っていけたらいいなと思っています。
これからもイイミミは街のみなさんの声を聞き、10年先も20年先もずっと続いていくでしょう。私たち高木印刷も共に頑張っていきます!