運命の人を見つけたら  岡本貴也(神戸市出身)著

あらすじは、中学生のときに「ストーカー」というあだ名をつけられてからというもの、恋なんてしないと決意して生きてきた主人公。


しかし勤務先の看護師に失恋し、やけ酒を飲んだ勢いで申し込んだ婚活パーティーで、“運命の人”に出会ってしまった。


でも、聞けたのは、名前だけ。
その翌日、故障したCTスキャナーの暴走に巻き込まれ、僕は中学二年生に戻っていた……。
僕は、生き直すことにした。
勉強に励み、進学校にすすみ、医学部に合格した。
生まれて初めての彼女もできた。
しかし、9.11で人生は暗転する。
うなるほどの大金を手にし、欲望のかぎりを尽くした男が、時代も空間も跳躍するほどに、ほしかったものとは?
約400ページの長編とは思えないほど展開が軽快でかつ濃厚であっという間に読破しました。


また、繊細に描かれた主人公の描写がとてもリアルだからか、ぶっ飛んだ設定に違和感を感じることもなくしっかり感情移入させられた。

ラストのくだりは特に素晴らしく、ガッチリと心を掴まれ、まるで階段を駆け上がるような疾走感と共に思わず感情がたかぶってしまった。


こんな読書体験はない。



時代を行き来する主人公と行動を共にしていく中で、失ってしまった子どもの頃の瑞々しい感性を思い出したり、愛おしい人の存在をありがたく感じて心が暖かくなったり。


SF好きはもちろん、恋愛小説としても、また青春小説としても大変面白いエンターテインメント作品。

おすすめです。

私もこんな体験をしてみたい!

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